この一粒…夢を形に-粉の技術-
2010年12月1日より3日までの3日間、東京ビッグサイト東ホールにて、粉体工業展2010東京が開催されました。今回弊社もブースを出展しました。展示会の様子と弊社の展示内容などをここで紹介いたします。
粉の最新技術を展示
展示は区画に分かれており、製造・プロセス機器ゾーン、計装・測定、ラボ機器ゾーン、材料、エンジニアリング・情報ゾーン、ナノパーティクルテクノロジーゾーン、 二次電池展示ゾーンの5種類に分けられていました。さらに会場中央付近には「粉の広場」が設けられ、アカデミックコーナー、装置博物館や技術相談コーナー、映像展示を行っていました。
会場のブース間通路は比較的広めに確保されていたために、ブース間の移動が楽でした。筆者に時間的余裕が取れなかった関係で、最新技術フォーラムでの講演を受けることが出来なかったのですが、大きなプロジェクターによる講演を会場内の低いパーティションで囲って行っていたために、会場外からでも講演を視聴することが出来るようになっていました。
出展内容
各企業様の展示物は、造粒や粉砕等の原材料を粉に加工製作する装置、粉を乾燥させる装置、篩に代表される粉を選別(分級、ろ過)する装置、粉を固めて錠剤を作る錠剤機、粉のサイズ等の測定装置、出荷梱包、運搬装置などが多数を占めておりました。
筆者は各社様のブースを回って展示品の取材をいたしました。取材掲載許可の頂いた企業様の中から筆者が個人的に興味を持ったものをご紹介いたします。
フルード工業株式会社
粉粒流体技術で昭和44年より創業されている老舗のフルード工業株式会社です。粉体の空気輸送装置の展示、実演をされておりました。原材料である粉体を倉庫に集積しておき、工程に応じて移送する際のパイプラインとして、空気と一緒に粉体を移送するための装置です。
空気輸送装置に関するコンピュータによる基礎計算。当該する各機器の仕様の決定、及び実施における諸注意事項の提示とノウハウの提供。輸送系にかかわる機器の供給を行っているそうです。
エゼクタ
写真の黄色いフランジの下にあります。プラス圧がかかっているのに、粉を吸い込む空気輸送用粉体供給機。ベルヌーイの定理を活用しています。粉体が流れている上からサラサラと試験体を投入する姿は不思議です。
フルード工業株式会社
http://www.fluideng.co.jp/
山崎産業株式会社
クラフト袋に印字できるインクジェットプリンターを販売している山崎産業株式会社です。
インクジェットプリンタというと、パソコン用のプリンタでおなじみです。そのプリンターのヘッド部分が露出した構造で、通過する袋の指定された部分に、固定されたヘッドがインクを吹き付けて印刷しています。一見、粉体とは直接関わりなさそうですが、粉体を充填した袋に製品名や日付、バーコードの印字する用途として、仕様に合わせて最適な機器を提供されています。
ブースでは、充填袋を使った印刷の流れのデモンストレーションを行っていて、サンプル品を配布しておりました。
天面印刷とU2
写真下に見える側面印刷しているのが世界最小、最軽量のU2です。本体490g、単体でコントローラー、スクリーン、ヘッド、カートリッジがついて機能します。SDカードでメッセージを登録できます。
山崎産業株式会社
http://www.technomark.co.jp/
株式会社興和工業所
金属加工、めっき加工、管材など多様な事業をお持ちの株式会社興和工業所です。
ブースは振動ふるいを展示して、デモンストレーションをしておりました。筆者は、ふるいの張り替えの現場を見ているのですが、実際に作動する振動篩を見たのは今回が初めてだったために興味深く拝見いたしました。
振動ふるいは文字通り振動によって粉体を分級するのが目的です。筆者は漠然とゆさゆさ揺らしているモノと思っておりましたが、実際には振動でふるい網上の製品は回転することを知りました。振動に応じて規則的な動きをします。
そのなかでも興和工業所の自動可変式振動ふるい「ウェーブ」は、振動モードを自動可変することで、ふるい網上の製品を回転分散、中央集中させることが出来ます。
実際のデモンストレーションでも可変すると、ふるい網上の製品が分散、集中する様子が見えました。こうすることで、ふるい網中央部で分級動作を行い、外周部で粗粒を排出する一連の動きを自動化できます。
株式会社興和工業所
http://www.at-kowa.co.jp/
石川金網株式会社
弊社のブースです。
弊社は金網の専門メーカーとして、金網製品の展示と、金網のピースサンプルを多種類展示いたしました。
ピースサンプルは、ステンレスのローメッシュからハイメッシュのものまで。また非鉄金属、レアメタルの金網サンプルを展示しました。今回はあまり華美にならないよう、落ち着いた雰囲気のブース作りを心がけました。
初めての出展だったので、出展前は来店者の反応を図りかねていたのですが、実際にはすべての基本となる金網材料について、多数の方に使用目的についての相談を受けることが出来ました。粉体工業展ならではの質問もあり、弊社も勉強になりました。
石川金網株式会社
https://ishikawa-kanaami.com/