- パーフォアートパネル
- パンチングメタル
- パンチエディター
- 風洞実験
- 強度試験
- パーフォアート施行例
- ピトアート施工例
- 手すりへのご提案
- デザイン集
目次
(1) バルコニー手摺の採用についての御提案
(2) パーフォアートパネルの特徴
(3) 風速低減効果試験データ
(4) 風切音に関する風洞実験データ
(5) 笛吹き現象の解消効果資料
(6) 試験体の騒音レベル
(7) ノーマルパンチング&パーフォアートパネル風洞テストによる性能比較
(1) バルコニー手摺の採用についての御提案
従来の手摺を使用した場合の特徴
- 格子付手摺
高層マンションには恐怖感があり敬遠されています。また風速5~6mより風向きにより音鳴りが発生します。 - 網入ガラス手摺
阪神大震災で多くの破損が発生しました。網部分の小口から錆が発生し、ガラスを破損させています。現在ガラスパネルとそれに変わるものとの取替工事が一部で始まっております。 - アルミ普通パンチング手摺
軽くて錆びにくく、加工・取付工事が簡単なために現状多く使用されています。
ただし、風切音対策をしているパンチングはほとんどが大口径の穴のため、子供の指が入ってしまうためけがの恐れがあります。BL 手摺では8φ以下が望まれています。
パーフォアートパネルを手すりに使用した場合の特徴
- 外部から見て、手摺内部の物を見えにくくするカモフラージュ効果があります。
昼間はもちろんのこと夜間でも効果があります。 - 内部(部屋内)から見て、外部(景色)が良く見えます。
- 通風性が良いためバルコニーにカビが発生する恐れがありません。
- 防風効果に優れているので強風時でもバルコニーに置いてある植木が倒れるのをガードします。
- パンチングメタルをバルコニーの手摺に取付けた場合、笛を吹いたようなピーという音が発生する事があります。パーフォアートパネルは、笛吹き音を解消した画期的なパンチングパネルです。通常のパンチングメタルのように等間隔の穴の配列ではなく、穴をランダムに開ける事で風の流れを変化させカルマン渦の発生を防止しています。風洞実験を行い音鳴りがしない事を確認済みです。
- 軽量性に優れているため、高層建築部材として使用可能です。
- 手摺部分(バルコニー、廊下)をデザインする事により建物全体のイメージを、大きく変化させる事が出来ます。
- デザインが自由に出来ます。
- ガーデニングに最適です。
(2) パーフォアートパネルの特徴
- イメージデザインが自由に出来ます。
従来のパンチングでは表現できなかったイメージデザインが思いのまま自由に表現できます。 - 原画一枚で大きなキャンバスを飾れます。
ズーミング機能により1 枚だけの単体表現から、アートパネルの組み合わせにより連続した壁面アートとして建物の外観を飾る事が出来ます。
※デザイン集を別途御用意しております。 - 石川金網オリジナルパンチングソフト「パンチエディター」を使用しデザインを作成します。
パンチエディターを使用することで、原画または写真を高精細なドットデザインに変換し、DXF変換することでCAM加工が可能です。DXFファイル対抗システムであれば、専用機械でなくともターレットパンチ、レーザーカット、ウオータージェット、マシングセンターなどあらゆる工作機械で製作可能です。 - 笛吹き現象を解消しました。
従来のパンチングパネルは、BL手摺で使用されている8φx12P60°チドリのタイプのものが代表的です。
このタイプは同じサイズの穴が等間隔にあいているため、手摺に取りつける位置により、笛吹き現象が発生します。
しかし、パーフォアートパネルのグラデーションタイプ及びランダムパンチタイプは穴の間隔を乱す事により、笛吹き現象を解消する事が出来ます。
風洞実験を繰り返すことで実証されております。
(3) 風速低減効果試験データ
※試験体風上の風速を1.0とした場合の風速比
試 験 体 | 風速比※ | 開 孔 率 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
パターン | 板厚 | 風向き | 10m/s | 20m/s | ||
1 | C タイプ 8φ+4.5φ | 3 | θ=0° | 0.07 | 0.07 | 10% |
2 | C タイプ 8φ+4.5φ | 3 | θ=0° | 0.13 | 0.09 | 20% |
3 | C タイプ 8φ+4.5φ | 3 | θ=0° | 0.32 | 0.31 | 30% |
4 | C タイプ 8φ+4.5φ | 3 | θ=0° | 0.32 | 0.32 | 40% |
5 | C タイプ 8φ | 3 | θ=0° | 0.06 | 0.08 | 5% |
6 | B タイプ 4.5φ | 2 | θ=0° | 0.06 | 0.06 | 5% |
7 | B タイプ 4.5φ | 2 | θ=0° | 0.06 | 0.06 | 10% |
8 | B タイプ 4.5φ | 2 | θ=0° | 0.06 | 0.13 | 20% |
風 速 低 減 効 果
8種類の試験体について風速低減効果の測定を行いました。
その結果試験体ごとに大きく風速低減率の差が見られました。
(風速比 0.06~0.32)最も風速低減が大きいものは試験体
NO.6と7で風速比0.06程度であり、最も風速低減が小さいものは試験体NO.4の10m/sで風速比0.32,20m/sで風速比0.32の風速低減です。
(4) 風切音に関する風洞実験データ
(5) 笛吹き現象の解消効果資料
穴 径 | 開口率 | |||
---|---|---|---|---|
6 | Cタイプ 8φ+4.5φ | 33.44% | ||
7 | Cタイプ 8φ+4.5φ | 2.10% | ||
8 | Cタイプ 8φ+4.5φ | 12.96% | ||
9 | Cタイプ 8φ+4.5φ | 22.70% | ||
10 | Cタイプ 8φ+4.5φ | 19.56% | ||
11 | Cタイプ 8φ+4.5φ | 20.80% |
試験体 | 周辺固定状態 | 風向 | 実験風速 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
10m/s | 20m/s | 30m/s | ||||
NO.6 | 左右固定 | θ=0° | オールパス dB(A) | 54.3 | 71.3 | 82 |
ピーク dB(A) | 46.3 | 61.8 | 72 | |||
ピーク周波数 Hz | 2000 | 2000 | 2000 | |||
θ=20° | オールパス dB(A) | 53.1 | 70.4 | 81.2 | ||
ピーク dB(A) | 44.7 | 61.2 | 71.6 | |||
ピーク周波数 Hz | 1600 | 1600 | 2000 | |||
周辺固定 | θ=0° | オールパス dB(A) | 53.4 | 71 | 82.2 | |
ピーク dB(A) | 46.7 | 61.6 | 72.2 | |||
ピーク周波数 Hz | 2500 | 2000 | 2000 | |||
NO.7 | 左右固定 | θ=0° | オールパス dB(A) | 52.1 | 71 | 82.7 |
ピーク dB(A) | 45 | 64.2 | 75.3 | |||
ピーク周波数 Hz | 400 | 800 | 800 | |||
θ=20° | オールパス dB(A) | 48.5 | 67.4 | 80.3 | ||
ピーク dB(A) | 39.9 | 59.4 | 71.6 | |||
ピーク周波数 Hz | 400 | 800 | 800 | |||
周辺固定 | θ=0° | オールパス dB(A) | 50.7 | 70.3 | 82.6 | |
ピーク dB(A) | 43.5 | 63.6 | 75.2 | |||
ピーク周波数 Hz | 400 | 800 | 800 | |||
NO.8 | 左右固定 | θ=0° | オールパス dB(A) | 54.4 | 70 | 81.2 |
ピーク dB(A) | 43.3 | 60.7 | 72.1 | |||
ピーク周波数 Hz | 1250 | 2000 | 1000・1250 | |||
θ=20° | オールパス dB(A) | 51.3 | 69.8 | 80.8 | ||
ピーク dB(A) | 43 | 61 | 71.5 | |||
ピーク周波数 Hz | 1250 | 1250 | 1000・1250 | |||
周辺固定 | θ=0° | オールパス dB(A) | 50.5 | 69.9 | 81.2 | |
ピーク dB(A) | 42.3 | 60.7 | 72.4 | |||
ピーク周波数 Hz | 1000 | 1600.2 | 1250 | |||
NO.9 | 左右固定 | θ=0° | オールパス dB(A) | 52.5 | 70.9 | 82.8 |
ピーク dB(A) | 44.3 | 63.3 | 74.8 | |||
ピーク周波数 Hz | 400 | 800 | 800 | |||
θ=20° | オールパス dB(A) | 50.5 | 69.6 | 81.8 | ||
ピーク dB(A) | 41 | 61.3 | 72.5 | |||
ピーク周波数 Hz | 400 | 800 | 800 | |||
周辺固定 | θ=0° | オールパス dB(A) | 52.1 | 71 | 83.2 | |
ピーク dB(A) | 44.3 | 63.3 | 75.5 | |||
ピーク周波数 Hz | 400 | 800 | 800 | |||
NO.10 | 左右固定 | θ=0° | オールパス dB(A) | 52.3 | 70.3 | 81.6 |
ピーク dB(A) | 43.7 | 61.2 | 73.7 | |||
ピーク周波数 Hz | 1250 | 800 | 800 | |||
θ=20° | オールパス dB(A) | 51.2 | 69.7 | 81.1 | ||
ピーク dB(A) | 42.5 | 60.3 | 72.5 | |||
ピーク周波数 Hz | 1000 | 1000 | 800 | |||
NO.11 | 左右固定 | θ=0° | オールパス dB(A) | 52.4 | 70.6 | 82 |
ピーク dB(A) | 45.1 | 61.4 | 74.4 | |||
ピーク周波数 Hz | 1250 | 800 | 800 | |||
θ=20° | オールパス dB(A) | 50.6 | 69.3 | 81.1 | ||
ピーク dB(A) | 41.5 | 60.3 | 73 | |||
ピーク周波数 Hz | 1000 | 1000 | 800 |
(6) 試験体の騒音レベル
(7) ノーマルパンチング&パーフォアートパネル風洞テストによる性能比較
Ⅰ.比較試験体
①8φ×12P 並列 開孔率=34.8%(BL標準品)
②ランダムデザイン
8φ+4.5φ×12P 開孔率=30%
③8φ×12P 60°チドリ 開孔率=40%(BL標準品)
④グラデーションデザイン
8φ+4.5φ×12P 開孔率=40%
Ⅱ.比較方法
同等の開孔率であるBL標準仕様のノーマルパンチングとパーフォアートパネルの風洞テストの結果による比較を行なった。
Ⅲ.結果
1.試験体①及び②との比較(最大騒音レベル)ノーマルパンチングでは風向θ=80°風速20M/S の時.周波数1600HZの段階において70dBの騒音が発生した。
パーフォアートパネルでは風向θ=30°風速で20M/Sの時,周波数4000HZ の段階において60dB の騒音が発生した。
注-1 風向θは始め風洞面に対し平行の状態で設置し同じ風速をあて徐々に角度を変化させて最も騒音の高いレベルの時に計測したものである。
注-2 騒音レベル 70dB は大声での会話と等しい。
騒音レベル 60dB は普通の会話と等しい。
2.試験体③及び④との比較(最大騒音レベル)ノーマルパンチングは、風向θ=0°風速20M/S の時、周波数10000HZ の階段において68dBの騒音が発生した。
パーフォアートパネルでは風向きθ=0°風速20M/S の時周波数50HZ の段階において65dB の騒音が発生した。
ノーマルパンチングの最大騒音レベルである高周波域10000HZ の段階においてパーフォアートパネルは48dB の騒音が発生した。
風速20M/S の時高周波域10000HZ においてノーマルパンチングは風切音が発生し、パーフォアートパネルは発生していない。
注 騒音レベル68dB は大声での会話に等しい。騒音レベル48dB は静かな事務所に等しい。
3.試験体③及び④との比較(最大騒音レベル)左右固定の状態でノーマルパンチングでは風向きθ=0°風速10M/S の時周波数4000HZ の段階において85dB の騒音が発生した。
周波数4000HZ の段階においてノーマルパンチングに自励振動による高音が発生しパーフォアートパネルでは発生してしていない。
注 騒音レベル騒音レベル85dBは交通量の多い道路、電話の音が聞こえない騒がしい事務室、怒鳴り声と等しい。
Ⅳ.考察
1.各試験体の比較の結果、ノーマルパンチングよりもパーフォアートパネルは全体的な音域において低騒音である事が確認できた。
2.試験体③で見られるような自励振動はパーフォアートパネルでは発生しない。
持ち出しタイプなどボルトでパネルを取付けるタイプの手摺には非常に有効である。
3.試験体①及び③で見られるような一定の周波数帯における突出した騒音はパーフォアートパネルでは発生しない。
以上の結果から、ノーマルパンチングとパーフォアートパネルとを比較した場合、風洞実験においてはパーフォアートパネルのほうが風の影響を受けにくいことが解った。パンチングメタルを高層域で使用した場合風洞実験では現れないその他の風の影響も考えられる状況下ではパーフォアートパネルを使用するのが望
ましい。高層域の風速は時に30M/Sにもなり川風、浜風、ビル風などさまざまな風の影響を受ける事がある。
注 パンチングの穴径はBLの基準に基づき子供の指が入らない大きさ8φ以下、開孔率はBLの強度テストに基づいて40%以下で検討した。
強度的には高層階で使用するには30%以下が望ましい。
※使用風洞は古河電気工業㈱の風洞実験室にて行い1/3オクターブバンド分析に基づく分析結果である。