一歩先を目指した高品質・高精度のモノづくり
Weave 製織(手織り)
石川金網では、金網専用手織り機を開発しました。自動織機が開発される以前は、手織り機を用い金網は織られていました。現在自動織機により製織が一般的です。金網の素材はステンレス、真鍮、銅などの金属が主流です。これらの線は、細くなればなるほど切れやすくなります。経糸の間にシャトルが一気に通る隙間(杼口、ひぐち)を開けるための綜絖(そうこう)で線が同じ位置で上下することで線がこすれ、金属疲労のため切れることがあります。
これを防止するため、筬(おさ)を打ち込むときに綜絖も移動する装置開発し、取り付けて有ります。また、金属がシャフトに食い込むことを防止するため、ベアリング付きの金属ロールを用いています。
金網は、金属線で通常織られますが石川金網では、金属線以外の異素材の研究も行っております。異素材の金属の組み合わせ、全くの異素材の組み合わせなど、様々な素材に対応いたします。
金網の加工機は様々です。自動織機も素材の材質、織り方、線の太さ、織幅、生産量によりすべて異なります。お客様のご要望、スペックを検討し最適な織り方をご提案させていただきます。
Analysis フィルタークロスシミュレーションシステム
流体、気体中の異物の除去や清澄化の過程における,ろ過及び分級作業にはフィルタが主に用いられています。中でも金網フィルタは耐久性や耐熱性に優れ,プラスチック等の化学業界、医薬品等の製薬業界、食品加工業界等種々な分野で使用されています。しかし,金網フィルタに限らずフィルタの機能を充分に発揮するには,フィルタがもつろ過性能を正確に評価する必要があります。
ろ過性能の評価法にフィルタを通る最大硬質粒子径の測定が挙げられるが,金網フィルタの種類によって測定法が異なります。その中でも「畳織り」構造をもつ金網フィルタは構造の複雑さから顕微鏡、投影機などでの光学的測定が不可能であり,フィルタを気体が通過するときの圧力から性能を算出するバブルポイント法、ガラスビーズ法などが採用されています。しかし,この手法は専用機器が必要な上,計測に時間を要します。また各メーカーによって,用いられる値が統一されていないのが現状です。そのため,石川金網では「畳織り」金網の性能評価を簡易化し労力を軽減するとともに,性能を表す基準となる指標を算出するためのツール「フィルタークロスシュミレーションソフト」を開発しました。
開発においては、構造が複雑な「畳織り」を対象とし,はじめに幾何形状に基づいた計算で最大硬質粒子径を幾何学的に求めることを試みました。しかし,結果や考察から幾何学的なアプローチでは難しいと判断したため,計算機上で対象の金網フィルタの 3D モデルを生成し,金網モデルと不純物を模した仮想剛体球を用いた物理シミュレーションを行うことで,その妥当性を評価しました。これにより,ワイヤの変形を伴う場合や,より複雑な構造をした金網など,そのろ過性能を解析的に求めることが困難な場合でも,物理シミュレーションを行うことで柔軟に対応し,任意の金網フィルタの粒子径を求められることが出来るようになりました。そして新しい構造の金網が製造されたときも同じ枠組みの中で性能を評価できるシステムを構築しました。
「フィルタークロスシュミレーションソフト」により金網の構造解析をすることで、顧客が望むメッシュ構成を仮想作成することが可能です。金網製作後に行うバブルポイントテスト、グラスビーズテストの検証を金網製作前に行うことができます。そして、このシミュレーションにより製造経費削減と開発時間の短縮を実現しました。
算出可能なフィルタークロスは、畳織の標準である平畳織、綾畳織以外にも逆畳織、逆綾畳織、BMT,BMTzzにも対応します。
ろ過、分離においては、需要の変化に対応し、コストパフォーマンスの向上、生産性向上、品質向上が望まれますが、カスタム設計されたフィルタークロスを採用することでこれらの要求に応えることが出来ます。
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Dithering ディザ拡散応用高精度パンチングデザイン
パンチエディターは、石川金網が開発したデザインパンチングメタル製作のためのオリジナルコンピューターソフトです。簡単に高精細ドットデザインの作成が可能です。また、ピトアート製作のためのツールとして、白黒で表現された各ドットに彩色が可能です。さらに、ドットをカラー表現すために必要なピトチップの数量をカラーごとに計算、集計します。
パンチエディターは、製作当初はDOS/Vソフトで作成されましたが、現在は改定、バージョンアップを繰り返しWINDOWSソフトに変換されました。これにより、すべてのコンピューターでの使用が可能です。
パンチエディターは、ディザ拡散の技法を取り入れることで、高精度なドットデザインのパンチングメタルの製作を可能にしました。
パンチエディターは、コンピューター上で各種のオブジェクトを編集するアプリケーションソフトウェアです。
ビットマップファイル(ビットマップ画像)を使用して、誤差拡散(ディザ拡散)、1ビットモノクロ画像(誤差拡散法による減色)を行うことにより、おおまかな部分(低い周波数成分)になるほど見かけ上の諧調が向上します。
ビットマップとは、コンピューターで画像や文字を表示する際、色のついたドット(点)の集まりで表現する方法です。
ビットマップ画像とは、コンピューターで扱う画像の表現形式の一つ。画像を色の点の集まりで表現する。写真などの複雑な画像の表現に適していいます。
Wind Noise 笛吹音解消パンチングメタル
石川金網では、度重ね風洞実験を行い、パンチングメタルによる風切音及び笛吹音のデータを採集してきました。最初の実験は、間組技術研究所との共同研究を古河電気工業日光事業所に設置してある低騒音風洞を利用しました。また、超高層マンション、大京ライオンズタワー川口においてご採用の際は、実証テストとして、不二サッシ低騒音風洞を利用し風洞実験を行いました。この物件において、初めてグラデーションタイプの「パーフォアート」デザインパンチングメタルが採用されました。現在、関東、東北のライオンズタワーにおいて、ランダムタイプの「パーフォアート」デザインパンチングメタルが多数採用されております。近年では、関東学院大学、中藤教授の研究室と共同でパンチングメタルによる風切音の研究を行っております。実験の詳細は、風学会において発表されました。今回の実験では、通常のノーマルパンチングと石川金網オリジナル技法である、ランダムパンチングメタルとの比較を行いました。ここでも、「パーフォアート」ランダムタイプは、笛吹音の発生は認められませんでした。
風洞実験データ(関東学院大学)
下記風洞実験データは、左寄り6φx9P,ランダム25%,ランダム30%
6φx9Pでは、空力音の発生が見られるが、ランダムでは認められない。
わずかなノイズの発生が認められるが、このノイズはパンチングメタルを取り付けていない状態の暗騒音でも認められる。
参照グラフ A0609(horizotal),80° random 25%,80° random 30%,80°
暗騒音
パンチングメタルは取り付けず,模型枠のみを残した状態での空力音(暗騒音)のパワースペクトルを図に示す.
風速12.4m/sにおける281Hz,および倍音の563Hzのピークは,風速に比例して周波数が増加している.これらのピークは,いずれのパンチングメタルの空力音のパワースペクトルにも見られるため,ファンの回転に伴うものと考えられる.
それ以外の周波数領域では顕著なピークは見られない.
Separating 静電気応用セパレーティング
廃プラスチックを家電製品などに再利用するニーズが高まっています。従来は手作業で単一素材のプラスチックを解体していたものが一般的な再利用工程でしたが、現在では、地球環境の保全と限りある資源を有効利用するための機運が高まっている中、複数種類のプラスチックを含む破砕くずの再利用が始まっております。
高まる再利用ニーズに対応するためには、破砕くず素材の選別方法が重要なポイントになってきます。
石川金網では、新方式の静電分離方式選別機システムを提供します。
このシステムは、静電分離方式の難点である電極衝突による混合を、円形電極の採用により回避しております。そのために近年エコキャップ運動で回収されるペットボトルに代表されるポリプロピレンとポリエチレンなど、物性が近似するプラスチックの高純度分離を可能にしました。
赤外線分離方式のシステムと比べて約半分のコストでの導入が可能です。
本製品は、芝浦工業大学工学部機械工学科 佐伯暢人教授による発明のシステムを使用しています(特許共同出願中)